消去に成功した後、16進エディタやディスクエディタ(たとえば、Blancco Drive Eraser/Blancco 5 Hexビューア)を使用したドライブの検証で、ドライブに予期しないパターンがあることが示されることがあります。たとえば、非ゼロパターンあるいはランダムなデータです。それにはいくつかの理由が考えられます。

  1. 一部の消去規格には、ドライブ全体にランダムデータを書き込む非周期的ランダムまたは周期的/擬似ランダムの上書きステップが含まれます。一部の規格には、ファームウェアベースの消去ステップが含まれており、これらのステップの実行と結果は、完全にドライブのファームウェアに依存しています。一部のドライブは、ファームウェアベースの消去中に非ゼロパターンまたは非周期(ランダム)データを書き込みます。
  2. 消去プロセスがフィンガープリントをドライブに書き込んだかどうかを確認します。フィンガープリントは消去レポートの要約でドライブのセクターの1つ(デフォルトではセクター200)に書き込まれます。
  3. 消去プロセスがブータブルアセットレポート(起動可能な資産レポート)をドライブに書き込んだかどうかを確認します。ブータブルアセットレポートは、マシンを再起動するとスプラッシュ画面として表示される小さなアセットレポートです。
  4. サーバー環境の場合、RAIDコントローラーの中には、消去が完了した後にメタデータをドライブに書き込こむものがあります。これも検証エラーの原因になる可能性があります(詳細についてはこの記事を参照してください)。
  5. リマップセクターおよびドライブの隠し領域が消去されているかどうかを確認します。これらのセクターが消去されていない場合、ツールによってはそこにいくつかのデータが見つかることがあります。
  6. 消去が完全な消去または部分的な消去かどうかを確認します。ソフトウェアがWindowsのリカバリパーティションを自動的に保存するように設定されている場合、あるいはユーザーが個々のドライブパーティションのみを消去する場合は、部分的な消去が可能です。消去レポートで詳細を確認してください。部分的な消去には免責事項が付記されています。
  7. 消去されたドライブを監査する(または消去したドライブからデータを復元しようとする)ために使用されるサードパーティ製ソフトウェアの中には、ベリファイの処理中にデータを書き込むことができるものがあります。特に、そのようなツールがドライブのファイルシステム(例:NTFS)を、フォーマットして復元する場合にはその可能性があります。このようなツールを消去の検証またはリカバリに使用する場合には、データが残されている可能性に注意してください。

それでもまだ消去結果について不明点がある場合には、 テクニカルサポート部門にお問い合わせください。お問い合わせには少なくとも、XML形式の消去レポートと問題の詳細情報の説明を含めるようにしてください(多くの場合、不具合レポートも必要です)。


* 注意: Blancco Drive Eraser/Blancco 5は、消去済みで、もうどのようなデータも含まれていないドライブに対してこの情報を書き込みます。データがドライブに書き込まれる場合、少量で書き込むことはできません。書き込まれる最小単位は、ドライブの1セクター(通常512または4096バイト)です。そして、ドライブ(特にSSD)は、この情報を最後に書き込まれたページ(通常は16KBまたは64KBのサイズ、つまりいくつかのセクター)内に配置できます。そのため、Blancco Drive Eraserがドライブにレポート、あるいはフィンガープリントを書き込むと、その処理の間、多くの隣接セクターも書き込むことができます: 内部的には、ドライブはこれらのセクターを何かで埋める必要があります (たとえば0xB5のパターン)。したがって、ブータブルアセットレポートに連続した一部のセクターまたはフィンガープリントセクターに、予期しないパターンが含まれていても驚くことではありません(パターンはドライブのコントローラーに完全に依存します)。ドライブの動作を確認するには、ブータブルアセットレポート、あるいはフィンガープリントを有効にしたBlancco Drive Eraserで消去を実行し、隣接するセクターのパターンを確認します。次に、ブータブルアセットレポートとフィンガープリントを無効化して新規に消去を実行します: 今回これらの隣接セクターには、選択した消去規格に対応したパターンが含まれているはずです。